健康保険から治療返還の請求が・・・なんで?!

何年か前に扱った案件で、当事者のところに健康保険協会から今までに支払った治療費全額を返還するよう請求が来た。通勤途上の事故で怪我をしたことは間違いないが、保険会社からは治療費支払いに健康保険を使って欲しいと言われたのでその通りにしていたら突然こんなことになった。どうしたら良いのか?との相談を受けたとのことで、これは明らかに保険会社担当者の単純ミスといえますが、通勤途上の事故で健康保険を使ってしまうとこんなこともあるので書いてみたいと思います。

そもそもこの事故は朝の通勤途上で発生したものなので、どう考えても最初から通勤災害として労災保険を適用すべきところ、保険会社担当者が誤って健康保険を使って下さいとした部分にミスがあるわけです。

この件では怪我の程度も大きく、それに伴って治療費も高額になっており、健康保険協会としては被保険者(当事者)に対して照会を行なったところ通勤途上の事故による受傷と判明し、それは通勤災害にあたり労災保険で対応すべきものであるから健康保険は使えない。したがって今までに健康保険協会が支払った治療費を返還してもらい、その上で新たに労災保険に請求するようにとの指示受けているとのこと。

至極当然な話であるが、その金額が200万を超える高額であったことから、当事者としてはそんな金額を立て替えることも出来ないし、どうすれば良いのか?第一、労災保険に請求と言われてもその手続きそのものがわからないと。

よって、この案件のサポートをしてやって欲しいとの依頼でしたが、これはまた無理難題な。

健康保険協会としては、労災保険の適用になるのだから治療費を返してもらっても、この方は労災保険から支払いを受けることが出来るので、とりあえず返還が必要との主張は変わらず、労働基準監督署の労災保険課に相談を持ちかけたが、労災保険と健康保険はなんの繋がりもないのでどうにも出来ない、きちんと労災保険の手続きをされたいとの回答であり、これではどうしようありません。

最後の手段は病院に掛け合って、事務方には多大なお手数をかけることになるが、初診時に遡って労災保険で処理してもらえないか?と説得するしかなく、何度か病院に出向いて交渉を行ない、幸いにも病院がその処理に応じてくれることになったのでなんとか終了となったものの、そりゃ病院としても何ヶ月も前に遡って健康保険用の処理と労災保険の処理を差し替えるのですから大変な手間を要しますから、よく対応してもらえたと感謝しています。
おかげで当事者も立て替えの出費がなく一件落着となりました。

通勤途上での事故で健康保険を使ってしまうことは意外によくあることですが、このように後でとんでもないことに発展してしまう可能性がありますので注意が必要です。

もっともこの件は最初に保険会社担当者が単純なミスをしてしまったのが原因で、キャリアの浅い担当者の場合、健康保険や労災保険、第三者行為による傷病届などについての知識が乏しいケースが多いので、その点の問題もあるといえます。


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