誰もが買い物弱者(買い物難民)になる可能性がある

「買い物弱者あるいは買い物難民」・・・なんともいやな響きの言葉ですが、いつの頃からか使われるようになりTVなどで特集番組が作られたりもしています。そもそもは大型ショッピングセンターなどが作られたため、元々地元にあった近隣の小規模店舗が廃業や閉鎖に追い込まれたため近くで買い物をする店舗がなくなってしまったり、高齢化に伴ない身体が不自由になって買い物に出ることが困難になってしまった人たちのことを指すようです。特に毎日の食料品や生活用品の購入にも困る、あるいはちょっと外食に出たいと思ってもそれが出来ない状況となると本当に困ることになります。
これは特にシニア世代になるといわゆる過疎地域のみならず都市部でもますます増える傾向が予想され、極端にいえば誰でもが陥ってしまう可能性がある大きな問題といえるでしょう。

管理人の本業である事故調査業務でも、某県の郡部にお住まいで単身生活をされているおばあちゃんが原付を運転していて交通事故に遭い、足腰を負傷されたのですが、その方に面談した際に、その方によると「この場所に何十年と住んでいるが、数年前にしばらく離れたところに大型スーパーが出店したため、自宅近くにあった昔からの店舗はすべて潰れてしまい買い物をするにはその大型スーパーか、もっと離れたショッピングセンターに行くしかなくなった。それはとても歩いて行くことは出来ないので日常の足として原付は自転車より便利なので絶対に必要なものとなってしまっている。今回の事故で満足に動くことが出来なくなって本当に困っている」とのことであり、たしかにその方の近隣にはまったく店舗はなく、大型スーパーまでは3km程度の距離がありました。これでは足腰を負傷された状態ではどうしようもない状況で通院についても最寄りの通院先が大型スーパーの少し先とのことから、症状が落ち着くまでは保険会社もタクシー利用を認めることとなったわけですが、もし、事故とは関係なくケガをされたり、あるいは病気で満足に動けなくなると、この方は完全に買い物難民になってしまわれることになります。
子供さんは比較的近いといっても自動車で30分以上かかるところにお住まいのうえ、子供さんの家庭生活もあるわけですから母親の面倒を見るために毎日実家を訪問することもままならない状況となるとますます厳しい現実になります。


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いつだったかTVで放送されていた番組では、かつて高度成長期に一斉に建設されたいわゆる団地の住民たちが今は老後を迎え団地構内や近隣にあった店舗が閉鎖され、買い物に行くのにバスに乗って街に出かけるか大型ショッピングセンターに行くことになるが、バスの本数も少なくなり大変に不便をされているとか、あるいは体調不良や足腰が弱った関係で出かけるのがおっくうになり日常生活に困るというような内容だったと記憶しています。

幸いにも夫婦とも元気で、現状では無事に動くことが出来る状態で、またありがたいことに自宅近くにいろいろな店舗が存在している環境にあると、それが当たり前になっていてなんの不便も感じないのですが、それでもこれが病気になったりケガをして動けなくなるとどうなるか・・・を考えた時に、まさにこんな環境にあっても買い物弱者、買い物難民になるじゃないかといえるわけですね。

そういえば、かつて街中の便利なところに住んでいた知人達が郊外や山手の戸建て住宅に引っ越したものの、やはり便利さを考えると街中には勝てないと、その家を引き払って街中に戻ってくるケースもよくあります。
当時は自動車があれば少々不便でも環境を考えると郊外が一番などと言っていましたが、いつまでも自動車を運転出来るわけじゃなし、子供達も独立して夫婦二人になったら広い家なんて要らない、何より買い物のために街に出るのが不便で、やはり身近にちょっと買い物が出来る店があるのがいかに便利かと口を揃えて言います。

こんなことは若い時には考えもしなかったのですが、年を重ねるといろいろ切実になってくる現実があります。

「今なら食材を宅配してくれる業者もあるし、地域の生協などで宅配してくれるサービスもあるので、もしそうなっても困らないんじゃないか?」

たしかにそれはその通りと思います。しかし、人が買い物をする心理はそんな簡単なものではなく、実際に店舗に出向いて商品を見て回る楽しみが大きな要素としてあると思います。そのため、食材や日用品を宅配で済ませることが出来たとしても、便利さは認めるもののそれは仕方なく頼むのであって、本来は自分で外に出て行きたいのが本音でしょう。昔なら近くに商店街があったりしてちょっとした買い物はそこで済ませることが出来たのにいつの間にか近くの店はなくなってしまったり、あっても極めて少数になり見る楽しみもなくなってしまった現実がそこにあります。

身体が不自由になってしまい動くことが出来ない状態であれば仕方がありませんが、多少でも動くことが出来るなら外に出て店舗に行きたいと思われるのが自然ではないでしょうか。

買い物弱者(買い物難民)の多い地域では地域社会をあげて対応を考えるとか、中小スーパーなどが店舗を出店したり出店計画がなされるとかがあるようですが、65歳以上の人口が総人口の25%を超えたとかの報道を見ると今後ますます買い物弱者(買い物難民)問題が大きくなっていくのではないかと思います。


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