損害保険の保険金で確実に儲ける者たち

損害保険の保険金で儲ける者たちについては、過去にも「契約を引き受けた保険会社がソンをする」や、拙サイト「保険について考える」の「保険金請求が趣味の人?」というページでも取り上げたことがありますが、最近またまた同様の案件を扱ったことから改めて取り上げてみたいと思います。

本題に入る前に、よくごっちゃになって勘違いをされていることが多い、保険金と保険料についての説明をしておきましょう。


保険金というのは、保険会社が契約者もしくは被保険者などに支払うお金のことを指し、
保険料は契約者が保険会社に支払うお金、わかりやすい表現をすると「掛け金」のこと指します。


そもそも損害保険の保険金というものは、なんらかの損害が発生した時に損害額を補てんする意味合いのものであり、そこで儲けるという発想そのものがおかしいことは誰でもおわかりとと思います。

ところが、保険金を受け取ることを目的に契約をするケースがままあることは事実で、これは明らかに保険金で儲けよう、稼ごうとの発想で保険契約申し込みとなります。
早い話が保険金詐取を目的としているものと同等なので詐欺にあたるわけですが、よほどのことがない限り立証が困難ということもあり、保険契約を引き受けた保険会社がソンをするだけのこととなります。

無意味に保険金を支払うことは、結果的には善良な保険契約者が迷惑を被ることとなるわけですから、保険会社としてもこのような不正請求(モラルリスク)には神経質になっているものの、多くの契約の中には必ず混じってしまうわけでなかなかやっかいな問題といえます。


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不正請求(モラルリスク)の手口とは

詐欺事件に発展するものは、ほとんどが同様の手口でなんども請求を繰り返すとかなどで被害額が大きくなるもので、保険会社も徹底的に調査し、証拠固めをしてから警察に告発などとなるわけですが、これが少額で終わってしまう案件などでは徹底的な調査をするに至らず保険会社もついつい支払ってしまうケースがほとんどとなり、ちまちま稼ぐ者たちにとってはそれが目のつけどころともいえます。

たとえば、明らかにスキー板に損傷が発生する可能性が極めて高いことがわかっている前提で、他の保険会社から契約を断られたものの、どこかで引き受けてくれないか・・・?と引き受け先を探し回り、うまく見つけた保険会社と複数年の契約をしたうえで、すでに何度も保険請求を起こし、その都度保険金を受領しているというものです。
実際に練習中にスキー板が壊れ、損害が発生しているため、架空の事故ではなく実損害があるため詐欺というにはあたらないかも知れませんが、通常より事故が発生する可能性が高いことがわかっているのですから、一般の保険料で契約すること自体が公平の原則に反するものといえます。

つまり、この契約者は事故(スキー板が壊れる)が必ず発生することがわかっていながら、それを事前に保険会社に伝えることなく一般の保険料で契約し、なんども保険金を受け取ることを繰り返している点で不正請求といえるでしょう。

なかなか引き受けてくれる保険会社がなかったところ、引き受けてくれて助かったなどと言っていますが、わかっていながら複数年の契約をすること自体が悪質としかいえないでしょう。
逆に言うと、この契約者からすると複数年で契約を引き受けてくれて良かった!となるわけですがね。

さて、今回、扱った事例は、保険会社担当から契約者(今回は被保険者も同じ)が調査に応じるが急いでくれと言われたとのことから大至急で対応してくれとの依頼で引き受けたものでしたが、傷害保険でも普通傷害保険という種目で、ごくごく簡単に言ってしまうと戦争や天災、故意による保険請求、自殺など以外は24時間365日どのような怪我でも対象になるというものでした。

その昔、「交通事故はもちろんお仕事中、レジャー中、日常生活における事故で万が一の場合は〇〇〇万円、入院した場合は日額〇〇〇〇円、通院の場合は日額〇〇〇〇円を生命保険や労災保険、賠償金などに関係なく受け取ることが出来ます。掛け金は一日あたり〇〇円、1ヶ月あたりわずか〇〇〇〇円です!いかがですか?!」などというセールストークでどんどん売っていたという保険種目ですが、

明らかにこれを悪用しようというものといえます。


保険契約窓口は、今やあちこちで見かける保険ショップでの飛び込み加入契約。ショップとしては飛び込んできた客が即決で年間保険料3万6千円の契約をしてくれるわけですから美味しい話といえます。

月額保険料3,000円。死亡・後遺障害610万円余。入院日額8,000円、通院日額4,000円。

契約締結後、1ヶ月も経たないうちに事故報告。スポーツジムでのプールで手首を捻ったとのこと。これで25日間通院し、10万円の保険金を受け取っている。

その4ヶ月後、再度事故報告。今度は家庭内でコケそうになったはずみに腕を打撲したと。事故後毎日に柔整(整骨院・接骨院)に通院中としており、整形外科への通院は多忙を理由に拒否している。

多忙としながら柔整には毎日通院することは出来るのか・・・?

さらに今回は怪我の具合が悪いので10日以上の通院になる可能性を示唆しているため、保険会社としては整形外科医への受診を指示しているが応じる気配がない。

事故状況と症状確認のために訪問したところ、やはり整形外科に行くことにした。今日中には行くようにするとのこと。
受傷した部位は現場状況からは完全に否定は出来ないものとなっている。
さらに、保険請求についてはどうしたものか考えたが、代理点に聞いてもせっかく入っているのだから請求すればと言われたため事故報告を入れてもらったと。

ところが、整形外科に行くことにしたと言いながら、保険会社担当によると、その後も整形外科には行かず、出来ればこのまま柔整で治療を終えたいと言っているとの連携を受けた。

まあ、ざっとこんな具合ですが、この手の当事者がたいがい口にすることが、「保険金請求をするつもりはなかったが、せっかく加入しているのだからと勧められたから」などと積極的に事故報告をしたもではないと言い訳をすること。
次が、面談時に〇〇する予定などとしてかわし、実際には何もしない。
保険会社担当が強く対応すると、苦情センターなどにクレームを入れるなどのアクションを起こす。

というようなパターンで、最終的にはなにがしかの保険金を受領することとなるわけです。

なんらかの怪我をした時に備えて傷害保険を契約しているわけですから、実際に怪我をして入院もしくは通院加療し、その結果、保険金請求を起こすのは当然のことで、なんの問題もありません。
まさにせっかく保険をかけているわけなので、請求をしないこと自体もったいないこととなります。

また、現実にたまたま契約直後に事故が発生することもままありますし、短期間のうちに運悪く立て続けに事故に遭うこともあります。
それらは現実に調査をしてなんの問題もなければ当然支払い事由に該当するわけですから、当然保険金を受け取ることになんら問題はありません。実際にそんなケースはいくらもあります。

したがって、普通なら当たり前のことですが、実はこのケースでは2事故とも正確な事故発生を特定することは出来ないものであり、実際に受傷したかどうかもわからない部分があり、そこが問題になります。
また医療機関は患者が痛みを訴えて受診した場合、それを拒否することはありません。
自賠責事故のおける自賠責保険や労災保険のように治療についても、それなりに条件的なものがあるならともかく、健康保険を利用して30%の自己負担分を支払ってくれる患者ですから医療機関としても断る理由がないですしね。

しかし、仮になんらかの受傷をしたとして、よほどの重傷ならともかく、いわば軽傷でせっせと毎日通院するでしょうか?
また、柔整での治療を拒否しているわけではなく、整形外科できちんとレントゲンなどの検査を受け、客観的に症状を確認したうえで柔整での治療を認める方向を示しているわけですから、整形外科での受診を拒否するのはなぜか?

交通事故の場合、柔整は整形外科からの診断書を求めます。これは自賠責保険への請求のからみがあるとはいえ、やはり柔整としても治療(施術)にあたって整形外科の診断書や紹介状などを参考にするわけですね。

そうなってくると、このケースは・・・?と疑わざるを得なくなる方向になってしまいます。

保険新規契約後、すでに保険金を10万円受取り、さらに2回目の事故発生。これでも仮に最低10回通院して終了したとしても4万円を受け取ることとなります。
保険料はこのまま続けたとして年間36,000円。すでに掛け金より10万円以上の保険金を受け取ることとなります。

保険金請求が趣味の人?」の場合は、物関係の損害に特化したものでしたが、積立型の傷害保険一時払いで10年契約をしたあと、6ヶ月目から事故が発生し出して6年間で80万円もの保険金を受け取っていました。満期時には保険料にいくらかの利息が付いて戻ってくるわけですが、そんな利息どころかはるかに大きな保険金を受領していることになります。
実際に支払事由に該当する事故が起こっているのだから仕方ないではないか?支払われるのは当然との声もあるかと思いますが、通常、そんなに頻繁に保険請求事故が発生することはありません。
また、その内容を見ても明らかに不自然で、おまけに小損害となっており保険会社としても損害額が小さいため、件数は多いものの支払いを続けていたものの、さすがに事故件数が多過ぎることに不自然さを覚え調査対象となったものですが、それは当然といえるでしょう。

これらのほかにも明らかに不正請求とはいえないまでも、あまりに保険金請求が多い契約については保険会社も継続契約を謝絶したり、特約内容を変更するなどの対応をすることとなりますが、なかなか追いつかないのが現実といえます。


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