第三者行為による傷病届・第三者災害届ってなに?届出方法は?

今回は、一般の方にとってはあまり耳馴染みのない「第三者行為による傷病届」「第三者災害届」について書いてみたいと思います。


よければ今日のBGMにどうぞ



Wheels

チェット・アトキンス



カントリーギターの大御所「チェット・アトキンス」の名演奏といえるでしょう。
再生ボタン(▶)を押せば約30秒試聴出来ます。


交通事故はもちろん事故に遭って負傷した際に相手者が存在する場合、治療費支払いに健康保険を使う時は「第三者行為による傷病届」が、業務災害や通勤災害に該当する労災保険の場合には「第三者災害届」が必要になります。
最近多発している自転車同士の事故や、自転車と歩行者などの事故でも同様です。

なぜそんなものが必要になるかと言うと、健康保険では後期高齢者を除いて通常は治療費の7割を健康保険が支払いますね。
労災保険の場合は治療費全額を労災保険が支払うようになっています。
負傷した事故において相手者が居る場合は、事故の形態によって相手方に過失が発生するわけですから、健康保険や労災保険はその過失割合に応じて相手方に求償をすることになります。

例えば、交通事故で被保険者が怪我をして治療を受けたが、被保険者の側が70%の過失とすると、相手方には30%の過失があったことになります。
そこで健康保険や労災保険は支払った治療費のうち30%を相手方に求償請求して病院に支払った治療費の回収にかかるわけですね。

その求償手続きにあたって必要なのが「第三者行為による傷病届」であり「第三者災害届」というわけです。

交通事故などで相手方保険会社から治療について健康保険を使うよう依頼され、ついてはこのような手続きが必要と言われ、手続きをご自身で経験された方もおられるかと思います。また人身傷害保険(人身傷害補償保険)適用となった場合も同様にこの手続きについて聞かれた方もあるかと思います。

保険会社の側でやってくれたというケースもあるでしょうが、その場合は保険会社の担当者が行ったか、もしくは我々のような委託業者が代行して手続きを行なったものといえます。

交通事故では、通常被害事故となった場合は基本的に相手方の自賠責保険を使い、相手方の保険会社が自賠責保険部分も立て替えて支払う、通称「自賠一括」の対応をして、この場合は被害者はなんの負担もなく治療を受けることが出来るようになっています。

この場合、治療費は自由診療となって、健康保険や労災保険を使うより治療費そのものは高額になります。
それは簡単に言ってしまうと医療機関の儲けとなるわけです。

そこで、病院などでは交通事故に健康保険は使えませんなどとして健康保険利用を断るケースもあるわけですが、実際にはそのようなことはなく、健康保険を使うことが出来ますが、健康保険側は相手方に求償するために前述の「第三者行為による傷病届」を出すよう指示するわけです。

同様に労災保険対象事故であれば、「第三者災害届」が必要になるということですね。

また、前述の例で、被保険者側の過失割合が70%とすると、相手方の保険会社は自賠一括の対応をしてくれませんから、この場合、被保険者は自費で治療を受ける必要があります。仮に相手方の自賠責保険に被害者請求をするとしてもとりあえずは治療費の立て替えが発生しますし、場合によっては重過失減額となって自賠責保険からの支払いが20%カットされる可能性もあります。

そんなことから自身の治療については健康保険を使わないと治療費が高くついてしまうことになります。

基本的に交通事故による治療で健康保険や労災適用事故なら労災保険を使うのは治療費用の圧縮が目的といえます。

注意すべき点は、よくあるケースでいうと通勤災害として本来は労災保険で対応すべき通勤途上での事故の際に健康保険を使ってしまったということですね。

これをやってしまうと、後に健康保険側からの問い合わせで通勤災害と判明すると、当然健康保険は使えないことから、健康保険からすでに支払った治療費をすべて返還して、労災保険への請求を求められます。

軽傷事故ならともかく、重傷事故となると治療費が大変高額になりますので、そんなことをいきなり言われても困るばかりで大変なことになってしまいます。

したがって通勤途上での事故の場合は注意が必要ですので、きちんと報告をして対応しておくことが大切です。


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では、具体的に手続きはどうするのか?


●健康保険の場合


健康保険と一口にいっても、健康保険には色々な種類があります。
企業が健康保険組合を作っている場合もありますし、いわゆる健康保険協会(協会けんぽ)、また国民健康保険も一般的です。

健康保険組合の場合は、ほとんどが組合に連絡して用紙を送ってもらうこととなります。

それぞれ健康保険を運営しているところ(わかりやすく保険者といいます)で書式が異なりますので、そこから書類を取り付けて、書類を作成して提出する流れになります。

例えば全国健康保険協会なら、このような書類をはじめ事故状況報告書など数枚の書類が必要になります。

また、国民健康保険の場合は、このような書類になります。同様に複数の書類があります。

※大阪市の国民健康保険「第三者行為による傷病届」用紙

 


●労災保険の場合


基本的に被保険者が勤務している場所を管轄する労働基準監督署の労災保険窓口に「第三者災害届」を提出します。
労災保険の場合は、当然労災保険そのものの請求書類も必要になりますが、業務災害と通勤災害によって書式が異なりますので注意が必要ですから窓口で確認する必要があります。
通勤災害の場合は通勤経路と事故場所の位置関係がわかる地図も必要になります。

労災保険の「第三者災害届」は

のようなものをはじめとして数枚の書類が必要になります。

いずれも事故証明書の添付が必要になりますが、保険会社にいえば保険会社で取った事故証明書に原本照合のスタンプを押したものを送ってくれますので、それを使うことが出来ます。


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