コロワイド社内報がSNSで騒ぎとなった件に思う。

ニュースサイト「ハフィントンポスト」から2017年02月26日 15時30分に発信された記事に『「甘太郎」のコロワイド会長「アホが何故会社にいる?」社内報で社員を罵倒』というものがあった。

以下、その記事を引用させていただくと、

居酒屋チェーン「甘太郎」「ラ・パウザ」などを経営する飲食大手、コロワイドの社内報がSNS上などにアップされ、蔵人金男会長が、社員を罵倒する内容の文章が掲載されていたことから、衝撃が広がった。

同社の広報室は2月24日、「本来の意図が伝わらず、お騒がせする事態になりました」とする謝罪のコメントを発表。また、社内報で該当する部分の全文を公式ホームページ上に掲載した。

コロワイドは「牛角」や「しゃぶしゃぶ温野菜」などを経営する「レインズインターナショナル」を約5年前に買収した。問題となった部分は主に、レインズの社員に対する部分だった。

当該部分の概要は以下の通り。(一部省略)

『コロワイドが、レインズを買収して5年。
未だに挨拶すら出来ない馬鹿が多すぎる。
お父さん、お母さんに躾すらされたことがないのだろう。
家庭が劣悪な条件で育ったのだろう。

個人的に張り倒した輩が何人もいる。

私が嫌いで、嫌悪感すら感じるのだろう。
そのアホが何故会社にいる?
辞めて転職したらいいのに。
所詮、コロワイドが買収した会社。

生殺与奪の権は、私が握っている。
さあ、今後どうする。
どう生きていく?アホ共よ。』

文章全体は会長が考える「リーダー論」が主なテーマで、その哲学に従って社員を叱咤する内容。「今の時代はトップダウン型」「危機意識と問題意識の希薄な野郎ばかり」「労働が少し位きつくとも、むやみやたらに派遣を増やさない」などとも書かれていた。

レインズ社員に対する罵倒はその最後の部分で登場している。

※全文はこちらに掲載されている。

騒動を受けて公式サイト上で広報室が発表した文章では、「当該文はビジネス・商売の基本となる考え方を述べたものであり、本来はそちらがメインとなるものであります」「弊社会長の独特の言い回しで、今回はその本来の意図が伝わらなかった」と釈明している。

となっており、たしかにコロワイド社広報室からコメントと広報誌が出ている。

これなどは確かに多少過激な表現があるかも知れないが、社内報でもあるし、取り立てて騒ぐほどのことではないと思うが、今やなんでもかんでもSNSから拡散し炎上とかがよくあるし、ちょうどよい素材になったのかも知れない。

しかし、一部については共感を覚える人も多いだろう。まともに挨拶も出来ないなど、人と接する時のマナーがなっていない者が多いことは事実である。

広報誌の中で、同社会長は、『今更・・・。ここは大学の同好会でもサークルでも更生施設でもない。今更、この手合いには、挨拶は返しません。』としているが、それがどのようなシチュエーションであったかはわからないが、会長が挨拶をして、それに対してのリアクションもなければ叱る、諭すというのも方法としてあるだろう。

まあ社員のほうが率先して挨拶をするのが当たり前ではあるが、上司から挨拶をされているのに無視することはないだろう。もし会長が挨拶をしたのに社員が返さなければそれこそ「お前はクビだ!」でも構わないと思う。
簡単に「クビだ!」とすると、これまた何を言われるかわからない世の中だが、あかん奴はあかんで構わないだろう。適性がないか能力がないかなら企業にとって雇う意味はない。

広報誌の中で同会長が書いている「お父さん、お母さんに躾すらされたことがないのだろう。」や、「閑散な家庭環境で育ったか。」という点については、管理人も同感する。

子供に対する躾の問題については明らかに昔と違って子供に甘くなっていると思うし、夫婦共働きで子供と接する時間が極めて少ない状況にあることも関係しているだろう。

加えて、昔なら子供が悪さをしたりしたら近所のおっちゃんおばちゃんが叱るというのは当たり前だったところ、今ではそんなことをしたらなんの苦情を言われるかわからないので、見ていても知らんぷりをせざるケースがほとんどだろう。

おまけに学校では、モンスターペアレントなどとわけのわからない親が現れたりして、学校も昔のように教育出来ず、教育現場そのものがおかしくなってしまっている状況もあるだろう。

特にシニア世代の人は、このあたりは痛感されているのではないか?と思う。なぜなら、自分自身が育った頃とのギャップが大き過ぎるからで、これではいかんとは思うもののどうしようもないか・・・とあきらめてしまっているのかも知れない。

しかし、高度成長時期からバブル時期まで物質的な豊かさを追求して、そこにまい進するあまりコミュニケーションや当たり前の子育てを怠ったツケが回ってきたことも間違いないといえるのではないか?
いい年をして引きこもりを続けていたり、自立出来ない子供の増加。それを支える高齢者の親。
支えてくれる親が亡くなったら、その子はどうやって生きていくのか・・・。

よく聞く言葉が「子供の育て方を間違ったか・・・」であるが、まさにその通りで、その失敗は自分たちに返ってくるのみならず、さらにその子供たちが同様に子育てを間違ったらどうなるのか。
現実にますますそんな家庭が増加しているのも事実だろう。

自由と自分勝手がごっちゃになって、なにがなんだかわからん世の中ともいえよう。社会全体の大きな問題で、今こそ考え直さないとさらにめちゃくちゃな世の中になるように思えてならない。

日本はそもそもの成り立ちが村社会であり、当然その村の中でのルール、マナーがあったはずで、それが他の村との交流にあたってはそれなりにまたルール、マナーが出来るものの、もともとの村のルールやマナーは歴然とあったであろう。
動物の世界にだってそれなりのルールがある。それを守って子孫を残すわけで親は子に生きていくためのルール、生きていく方法を教える。

「とかく世の中は住みにくい」これは紛れもない事実だが、「住みにくい」だけで終われば良いがもうちょっとみんなが考えないとあかんのではないかと思ってしまった。


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