原付の自動車保険(任意保険)加入の大切さについて

万が一交通事故を起こしてしまった際に相手への損害賠償について役立つのが自動車保険(いわゆる任意保険)であることは今やどなたでもご存知でしょう。

自動車を所有して運転するなら自動車保険に加入するのはいわば常識となっています。

しかし、意外に125cc以下、もっとも多いのが50ccの原付についての加入が少ないのも事実です。自動車を持っていてその自動車の自動車保険にファミリバイク特約というものがあり、それに加入していると自動車同様に保険の適用を受けることが出来ますが、つい忘れていたとか、そもそもファミリーバイク特約そのものを知らなかったケースもあります。

特に親元を離れて大学に通っている子供が原付を買ったなどの場合は、親御さんは必ずその原付に自動車保険を契約するか、親御さんの自動車保険にファミリーバイク特約を追加する必要があるといえるでしょう。

原付だし、大きな事にはならないのではないか?大丈夫だろう。などと思っておられる方は、事故が起こってから大変なことになる可能性があることを認識される必要があります。

ここでは実際に私が扱った案件を紹介してみたいと思います。

この案件は、バイク同士の事故で加害者側の学生さんの過失割合が90%と圧倒的に悪い事故で被害者が大怪我を負ったというものでした。
加害者の原付には自動車保険の契約がなく自賠責保険のみ。

被害者は約2か月間の入院加療となり、その後通院加療となりましたが、その間の治療費だけで数百万円!
被害者は通勤途上の事故であったため通勤災害として労災保険の適用となりました。

保険会社からの依頼は被害者の自賠責保険への被害者請求サポートが中心となりましたので、直ちに自賠責保険被害者請求を開始し、休業損害、慰謝料などの賠償金を自賠責保険の限度額に近い部分まで被害者は受け取ることが出来ました。

ここでの問題は加害者のことであり、交通事故被害に遭ったらの項に書きましたが、労災保険を使うとなると労災保険は相手方に対して治療費の求償を求めますのでこの加害者には数百万円の90%が労災から請求される形となります。
(自賠責保険に求償してもすでに被害者にほとんど自賠責保険の賠償金は支払われているため、労災保険が自賠責保険から回収出来る余地はありません)

この案件はまだ示談も済んでいないので今後、最終的にどの程度の損害賠償金になるかわかりませんが、このようなことに直面する可能性がないとは言えないわけです。

加害者本人の学生さんはもちろん、親御さんにしても大変な影響を受けることになってしまいます。

このようなことから、原付についての自動車保険加入は自身を守る意味でも必須といえるでしょう。

なお、この被害者はバイクに自動車保険を契約されていましたが、自身の負傷(傷害)については搭乗者傷害保険の特約しかありませんでした。
人身傷害保険に加入されていたら保険会社から補償を受けることが出来たので、自賠責保険への被害者請求手続きの必要はなかったわけです。

自動車保険に加入する際は、代理店によく説明を聞くとかネット通販型の保険であれば説明をよく読んできちんと加入すること
が大切であることはいうまでもありません。

 


 
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