個人賠償責任保険の加入有無の確認を!

個人賠償責任保険については、昨年10月4日に「自転車事故の急増と個人賠償責任保険について」の記事を書いていますが、改めて追加で書いてみたいと思います。

自転車による事故については、すでに関連する数多くの報道もなされ自転車事故に対する関心は高まっているようにも思えますが、実際には相変わらず自転車の無謀運転や明らかな法令違反運転が多いことに変わりません。

もっとも自転車については、そもそも長年に渡る行政の指導不足や道路(自転車通行帯の整備など)の問題もあり、たちまち改善されるものではないと思われます。しかし、現実には自転車と自動車との事故はもちろんのこと、自転車同士の事故、さらに自転車と歩行者の事故が頻繁に発生しており、特に歩行者との事故にあっては、歩行者が大怪我をしたり重度の後遺障害になったりして問題になっています。

もっぱらそのような大事故についてに目が行きますが、人身事故でなくても自転車同士でも片方が高価なロードバイクであったり、対自動車との事故で相手自動車が高額車両で修理代がとんでもなく高くつくケースもよくあります。

まさかそんなことになるなんて思いもしなかったというのはよく聞く話ですが、自転車に乗って道路を走行する以上、事故に遭う危険性は必ずあるわけですね。

実際に事故が起こってみてはじめて損害額の大きさや損害賠償について気付いても遅いことになります。

そこで自転車保険というより「個人賠償責任保険」(あるいは個人賠償保険特約)の加入有無が重要になるわけです。

しかし、一般的に知らない間に加入していたというケースも多く、それはたとえば住宅の火災保険契約をした際に自動的に特約として付帯されていた、あるいは職場で団体の傷害保険などに加入した際に同様に特約で付帯していた、また最近は自動車保険契約に特約で追加していたなど、調べてみると個人賠償保険に入っていたなどで経済的に救済される場合があります。

したがって、まず既に契約している各種保険の証券を確認してみることが一番でしょう。わからなければ代理店に問い合わせるのも良いでしょう。

全労済の「こくみん共済」や都道府県の県民共済(府民共済)や、生協のコープ共済などを契約されている場合も同様に要チェックですね。

しかし、概ね県民共済(府民共済)やコープ共済などは補償額がたとえば100万円などと低いケースがほとんどですので、その点は注意です。

歩行者との事故で対人事故となるとケガがさほど大きくなくても治療費用がけっこうかかることもありますし、高額車両などとの事故になると車両損害(修理費)で100万を軽く超えてしまうこともあります。

個人賠償責任保険にあっては、通常は世帯主が加入することによって同居親族や、たとえば地方の大学に通学するため下宿しているという別居の未婚の子(同一生計)も対象になりますので安心です。

また、自転車事故のみならず特に幼稚園児とか小学生低学年などの子供が遊んでいて、物を投げたりしたはずみに他人の物に傷付けてしまい、損害賠償を求められた場合も必ず役に立ちます。
実際にあつかった例では、マンションの通路からおもちゃを投げ落としたところ、たまたま下の駐車場に止まっていた車両のガラスを割ってしまったとかですね。

要するに、不注意から誤って第三者に損害を与え、その結果、民法上の不法行為による被害として損害賠償を請求された場合に、法律上の損害賠償金を支払ってくれる保険が「個人賠償責任保険」というものだ。と理解しておかれると良いでしょう。

現状では保険料も大変に安いものですから、なにかと賠償意識が高まる中、今や必須の保険といえるでしょう。


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